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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病網膜症における周辺部凝固と黄斑部凝固の凝固順序

著者: 熊谷和之1 出田秀尚2 熊丸茂2 石川美智子2

所属機関: 1自衛隊熊本病院眼科 2出田眼科病院

ページ範囲:P.1315 - P.1318

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 周辺部凝固と黄斑部凝固の望ましい順序を知るために,検眼鏡的に黄斑浮腫を伴う前増殖および増殖網膜症で,汎網膜光凝固を行った116例206眼をretrospectiveに検討した。血管アーケードの内と外のどちらを優先凝固したかで,内優先群,外優先群,内外同時群の3つのグループに分類した。結果は内優先群28眼では,悪化10眼(36%),不変17眼(60%),改善1眼(4%)。外優先群146眼では悪化41眼(28%),不変98眼(67%),改善7眼(5%)。内外同時群32眼では,悪化0眼(0%),不変30眼(94%),改善2眼(6%)であった。内外同時群は悪化例がなく,他の2群との間には有意差があった。黄斑浮腫眼の汎網膜光凝固は,周辺部凝固と黄斑部凝固を同時にバランスよく行うことが,術後経過中の視力低下も少なく良好な結果であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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