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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科48巻8号

1994年08月発行

雑誌目次

連載 走査電顕でみる眼組織……What is This?・14

周辺部角膜内皮

著者: 杉田新

ページ範囲:P.1441 - P.1441

前房隅角線維柱帯の内皮に隣接する周辺部角膜の内皮細胞は形が不規則で,細胞同士のかみ合いも複雑である。内皮細胞の表面には,しばしば単一線毛(矢印)が観察される。ニホンザル。×8,300

眼の組織・病理アトラス・94

内因性眼カンジダ症

著者: 猪俣孟 ,   吉富文昭

ページ範囲:P.1442 - P.1443

 真菌性眼内炎mycotic endophthalmitisには,外傷などを契機として起こる外因性のものと,全身の真菌感染に際して真菌が血行性に眼球に到達して起こる内因性のものがある。最近,長期の抗生物質や副腎皮質ステロイド薬使用,経中心静脈高カロリー輸液での静脈内留置カテーテルの使用,悪性腫瘍,エイズなどで内因性真菌性眼内炎endogeneous mycotic endophthalmitisが高頻度に発生している。眼内炎を起こす真菌には,カンジダ属とくにCandida albicans,アスペルギルスAspergillus fumigatus,クリプトコッカスCryptococcus neoformans,フサリウム属Fusa—riumなどがある。真菌性眼内炎のほとんどは眼カンジダ症ocular candidiasisで,カンジダ血症candidemiaを伴っている。また,死後剖検によって,眼カンジダ症が発見されることもまれではない。
 眼カンジダ症の初期には自覚症状がないことが多い。眼底に比較的境界鮮明な黄白色の滲出病変が網膜または脈絡膜に認められる(図1)。病変が進行すると,雪玉状,羽毛状,真珠の首飾り状の硝子体混濁が出現し,飛蚊症や視力低下を自覚するようになる。網膜血管の閉塞によって網膜出血やロート斑Roth's spotがみられることもある。確定診断には,血液や尿の培養で,あるいはカテーテルの先端からカンジダを検出する。前房水から検出された例もある。

眼科手術のテクニック—私はこうしている・68

点眼麻酔白内障手術

著者: 田芳浩

ページ範囲:P.1445 - P.1447

無・麻酔白内障手術?
 点眼麻酔白内障手術とは,「角結膜などの表在知覚のみを抑制し,虹彩毛様体の痛覚は抑制しない白内障手術」と定義される。麻酔という言葉を使ってはいるが,その効果は内眼まで及ばない。
 図1は,4%リドカインの点眼麻酔下に行った瞳孔括約筋切開術である。問診によると,患者は全く痛みを感じていなかった。すなわち「虹彩の痛覚レセプターは,切開という刺激に対して反応しない」らしい。なぜか?

今月の話題

ドライアイの治療

著者: 濱野孝

ページ範囲:P.1449 - P.1453

 涙道閉鎖を行うことにより,他覚所見,自覚症状とも大きく改善する見込みがあるにもかかわらず,人工涙液の点眼のみで経過観察されている症例をよく経験する。われわれのドライアイクリニックで行っている治療を述べ,特に涙道閉鎖の方法を中心に解説する。

臨床報告

アクリルソフト眼内レンズ術後2年の臨床成績

著者: 大鹿哲郎

ページ範囲:P.1463 - P.1468

 従来のpolymethylmethacrylate (PMMA)に近い物理的特性を持ち,折り曲げ挿入が可能で,屈折率が高いアクリルソフトからなる眼内レンズの,術後2年の臨床成績を検討した。対象は老人性白内障25例25眼(71.1±1.2歳,mean±SEM)で,超音波水晶体乳化吸引術ののち,3.4〜4.0mmの創から鑷子で折り曲げた眼内レンズを挿入した。矯正視力は術後3日で全例(100%)が0.5以上,18例(72%)が1.0以上であり,最終観察時点では全例(100%)が0.8以上,22例(92%)が1.0以上であった。角膜内皮細胞密度減少率は術後6か月で7.4±3.3%,術後2年で9.8±3.7%,フレアー・セルメーターで測定した前房内炎症の程度は,従来のPMMAやシリコーン眼内レンズよりも低かった。前嚢と後嚢の混濁も経過観察期間を通してきわめて軽微で,後発白内障は1例にみられたのみであった。
 アクリルソフト眼内レンズは特別な器具を用いずとも約3.5mmの小切開創から挿入可能であり,眼内での安定性が高く,臨床的価値が高いものと結論された。

吸引生検が診断に有効だった眼窩炎性偽腫瘍の1例

著者: 大黒浩 ,   小柳秀彦 ,   橋本雅人 ,   大谷地裕明 ,   前川浩 ,   大塚賢二 ,   五十嵐保男 ,   中川喬 ,   佐藤均 ,   平池則雄 ,   岡崎稔

ページ範囲:P.1469 - P.1471

 右眼に進行性の眼球運動障害および乳頭浮腫をきたし,悪性腫瘍との鑑別診断に吸引細胞診が有効であった眼窩炎性偽腫瘍の52歳女性の症例を報告する。以前に右眼瞼腫瘤の治療を受けていた。右眼に全方向性の眼球運動制限,うっ血乳頭,眼球突出が認められ,視力は0.1であった。画像では,眼窩内に充満した腫瘍が認められた。以上より,偽腫瘍,偽リンパ腫および悪性リンパ腫などのリンパ球系の腫瘍が最も疑われ,転移性の硬性癌などの可能性も否定できなかった。吸引細胞診により腫瘍は良性の腫瘍と診断され,さらに生検により眼窩炎性偽腫瘍と確診された。

黄斑円孔に対する硝子体手術の成績

著者: 荻野誠周 ,   舘奈保子 ,   半田嘉久 ,   塩屋美代子

ページ範囲:P.1475 - P.1480

 黄斑円孔49例50眼に後部硝子体膜または黄斑上膜剥離とガスタンポナーデを行い,有水晶体眼には超音波水晶体乳化吸引と眼内レンズ嚢内固定を同時に行った。再手術例を含めて36眼72%で円孔の閉鎖消失を得,そのうち24眼67%に2段階以上の視力改善を,11眼31%に0.5以上の視力を得た。円孔閉鎖は,①stage 3では30眼中24眼80%,stage 4では20眼中12眼60%,②推定発症後期間1年未満では22眼中21眼96%,1年以上では28眼中15眼54%,③非陳旧性では40眼中32眼80%,陳旧性では10眼中4眼40%,④円孔直径が0.2乳頭径(DD)では10眼全例100%,0.3DDでは22眼中18眼82%,0.4DD以上では18眼中8眼44%であった。術後視力は,発症後期間が短く,直径が小さく,陳旧性でなく,術前視力が良いほど良かった。

MRIで診断されたうっ血乳頭を伴う乳癌の髄膜転移

著者: 関敦子 ,   田中紀子 ,   宮崎守人 ,   栗原和之 ,   野呂瀬一美 ,   瀬川雄三

ページ範囲:P.1481 - P.1484

 うっ血乳頭を示した患者で,乳癌の髄膜転移がCTでは確認できなかったが,MRIによって判明した症例を報告した。4年前に乳癌の切除術を受けた66歳の女性が,視力低下,難聴,髄膜炎症状を訴えて来院した。うっ血乳頭を示していたため,頭蓋内転移を疑ってCTを行ったが異常をみなかった。しかし,造影MRIで肥厚した髄膜が造影増強され,全身検査と合わせて乳癌の硬膜転移と診断された。病巣がくも膜下に進展すれば髄膜癌腫症になる。MRIはこれらの病巣描出に優れていることから,悪性腫瘍の頭蓋内転移の局在診断にはMRIが有効であると考えられた。

妊娠中に増大した鞍結節部髄膜腫の1例

著者: 篠田啓 ,   加藤克彦 ,   中村裕 ,   野村昌弘 ,   小口芳久 ,   三谷慎二 ,   名取道也

ページ範囲:P.1495 - P.1498

 鞍結節部髄膜腫は,妊娠に伴い視力視野障害をきたすことが多い。筆者らは今回,2回の妊娠時に片眼ずつの視力低下を生じ,精査の結果,鞍結節部髄膜腫と判明した症例を経験した。また同症例は腫瘍摘出術により片眼の視力視野の著明な改善を認めた。

術式の相違による眼内レンズ移植後早期の眼圧経過

著者: 高橋信夫 ,   村山禎一朗 ,   中泉裕子

ページ範囲:P.1502 - P.1504

 眼内レンズ挿入術を行った白内障102眼につき,術後早期の眼圧経過を測定した。水晶体摘出は,嚢外摘出術(ECCE)を50眼,超音波乳化吸引術(PEA)を52眼に行った。ECCE群では,手術当日,翌日,翌々日の眼圧が術前眼圧に比べて有意に上昇していた。PEA群では,術当日にのみ眼圧が上昇していた。ECCE群での術後眼圧は,PEA群より有意に高い経過をとった。

アカントアメーバ角膜炎の瘢痕治癒後角膜が平坦化した1症例

著者: 関根麻紀 ,   高田美貴子 ,   木村知 ,   宮田和典 ,   新家真 ,   水流忠彦 ,   遠藤卓郎

ページ範囲:P.1505 - P.1508

 Acanthamoeba角膜炎の瘢痕治癒後,角膜曲率が著明に平坦化した1症例を報告した。症例は25歳の男性で,ソフトコンタクトレンズ装用歴は6年。右眼の眼痛を主訴に眼科を受診した。初診時視力は,20cm手動弁(矯正不能),角膜中央部に地図状の潰瘍を認めた。角膜擦過物の培養により,Acanth—amoebaのcystが検出された。検出されたcystのミトコンドリアのDNA分析を行ったところ,AcanthamoebaのMoak株であった。フルコナゾールの内服,点眼を行い,病変部は次第に改善した。しかし病変部に角膜曲率の平坦化と不正乱視を生じ,眼鏡矯正による視力は0.2であった。フォトケラトスコープ写真を用い,適切なハードコンタクトレンズを使用することにより矯正視力0.6を得た。今回のような眼鏡による矯正不能な不正乱視に対しては,十分な使用法の指導および検査を行いつつ,ハードコンタクトレンズによる視力矯正を行うことが必要であると思われた。

広範な網膜硝子体出血を伴った結核性汎ぶどう膜炎の1例

著者: 松田彰 ,   小竹聡 ,   笹本洋一 ,   吉川浩二

ページ範囲:P.1509 - P.1512

 広範な網膜硝子体出血を伴う結核性汎ぶどう膜炎の1例を経験した。患者は20歳男性で,初診時に虹彩毛様体炎と網膜静脈炎,網膜硝子体出血が両眼にあり,左眼には隅角結節がみられた。ツベルクリン反応は6×5mmの発赤,血清アンジオテンシン変換酵素は正常であった。胸部X線検査で右肺尖部に結節状の陰影を認めたが,経気管支肺生検では診断を確定できなかった。両眼の硝子体出血が増強したため,ステロイド剤と抗結核剤の併用療法を開始した後に,前斜角筋リンパ節生検により結核性リンパ節炎の組織診断を得た。左眼は,薬物治療にて網膜血管炎の改善がみられ,網膜血管閉塞領域への光凝固を施行した。右眼は黄斑部病変と硝子体出血のため,視力は不良であった。

糖尿病患者の白内障術後に生じた血管新生緑内障の4例

著者: 塚原康友 ,   井上正則 ,   坂井智代 ,   文順永

ページ範囲:P.1513 - P.1517

 糖尿病患者の白内障術後に生じた血管新生緑内障の4症例5眼について報告した。うち4眼は水晶体嚢外摘出術および眼内レンズ移植術,1眼は経毛様体扁平部水晶体切除術,前部硝子体切除術後であり,発症時期は術後6〜10か月後であった。3例では血管系の全身合併症を伴っており,さらにそのうちの2例は内頸動脈循環不全があった。両眼手術例では後嚢のない眼にのみ発症した。血管新生緑内障の発症については糖尿病のmicroangiopathyとしての網膜症のみならず,macroangiopathy (内頸動脈循環不全)にも留意すべきであり,血管系の全身合併症はそれを増悪させる因子であると考えられた。また,後嚢の存在は本症の発症に抑制的に働く可能性があると思われた。

発病初期より観察しえた桐沢型ぶどう膜炎の1例

著者: 尾山直子 ,   鈴木参郎助 ,   林康司 ,   佐賀正道 ,   安藤靖恭 ,   神園純一 ,   桂弘 ,   宗司西美

ページ範囲:P.1521 - P.1526

 桐沢型ぶどう膜炎は,近年,眼内液の検索によってヘルペス群ウイルスが関与していると考えられている。しかし,ウイルス感染から,桐沢型ぶどう膜炎の発生に至る過程についてはいまだ明らかではない。本症の発生機序を考える上で,その初期病変の観察は重要であると考えられるが,その詳細な報告例は少ない。今回,筆者らは,眼内液からpolymerase chain reaction法にて水痘帯状疱疹ウイルスのDNAを証明し,これに起因すると考えられた桐沢型ぶどう膜炎の28歳男子症例において,発病初期からの臨床経過を観察した。発病初期に,網膜血管からの螢光漏出を伴わない網膜深層の滲出性病巣が認められ,網膜動静脈の閉塞性病変に先行して,脈絡膜あるいは網膜色素上皮の障害が発生している可能性が示唆された。

糖尿病網膜症に対する硝子体手術予後の検討

著者: 松本年弘 ,   佐伯宏三 ,   内尾英一 ,   大野重昭

ページ範囲:P.1527 - P.1531

 糖尿病網膜症による硝子体出血で硝子体手術を受けた症例のうち,術中所見で網膜剥離を認めず,術後1年以上経過観察が可能であった53例62眼を対象に数量化理論Ⅱ類を用いて,術後視力に関与する術前の因子について検討した。術後視力は61.3%で改善し,59.7%の症例で0.1以上の視力を維持していた。術後合併症では硝子体再出血,虹彩ルベオーシス,網膜剥離などが多かった。数量化理論とχ2—検定の結果では,神経症の有無,腎症の有無および糖尿病の治療法が,術後視力の予後に大きく影響する因子であった。

アトピー性皮膚炎患者に伴う毛様体雛襞部裂孔の5例

著者: 小田仁 ,   桂弘

ページ範囲:P.1533 - P.1537

 アトピー性皮膚炎に伴う毛様体雛襞部裂孔の5例6眼を報告した。5例中4例が男性で,年齢は17〜26歳であった。いずれの症例においても外傷の既往はなかった。3例4眼は,白内障・水晶体偏位を認め,2例2眼は水晶体嚢外摘出術後,水晶体吸引術後の症例で,残存した後嚢の収縮が皺襞部裂孔の形成に関与していると考えられた。全例強膜バックリングにより網膜は復位した。毛様体雛襞部裂孔の臨床的特徴および成因について若干の検討を加えた。

強度近視に伴う黄斑円孔と特発性黄斑円孔の相違

著者: 今野優 ,   東由直 ,   梯彰弘 ,   秋葉純

ページ範囲:P.1539 - P.1542

 強度近視に伴う黄斑円孔19例20眼と特発性黄斑円孔26例30眼の臨床像を比較検討した。発症年齢の平均は強度近視に伴う円孔では57歳,特発性円孔では62歳であり,前者は後者に比べて若かった(p<0.05)。特発性円孔はすべて正円形であった。強度近視性では不整形で虫喰い状を呈する円孔があった。蓋(operculum)は強度近視性の10%,特発性の43%にあった(p<0.05)。後部硝子体剥離は強度近視性の75%,特発性の33%にあった(p<0.05)。強度近視性の95%で広範な網膜剥離を合併していたが,特発性には網膜剥離の合併はなかった(p<0.01)。以上,強度近視に伴う黄斑円孔と特発性黄斑円孔は臨床像に明らかな相違があり,その病因も異なると考えられることから,両者は別の疾患であることが確認された。

カラー臨床報告

常染色体優性遺伝型錐体杆体ジストロフィの1家系

著者: 今澤光宏 ,   飯島裕幸

ページ範囲:P.1455 - P.1460

 常染色体優性遺伝型の錐体杆体ジストロフィ(以下CRD)と考えられる1家系を報告した。5人兄弟のうち42歳と49歳の2人が視力低下と夜盲を訴え,眼科学的検査でも同様の所見を示した。検眼鏡および螢光眼底造影検査で黄斑部における輪状の網膜色素上皮萎縮がみられた。視野検査では,ほぼ正常の周辺視野を伴った輪状暗点あるいは傍中心暗点を示した。また,色覚異常,暗順応最終閾値の上昇もみられた。Photopic ERG, scotopic ERG検査を量的に評価し,錐体反応が杆体反応に比べ,より障害されていた。彼らの母親は網膜色素変性症末期に類似した高度の網脈絡膜萎縮と著明な視野狭窄を示した。また,母方の伯母と祖父も同様の症状を訴えていた。

眼科の控室

眼底のかきかた

著者:

ページ範囲:P.1486 - P.1486

 眼底に病変があると,カルテに記録することになります。
 眼底の記録の仕方は,学派により固有のスタイルがあり,また時間の制約もありますが,とくに初心者にお勧めしたいのが,「眼底を大きくかく」ことです。

マイアミ留学記・その4

余暇の週ごし方

著者: 谷原秀信

ページ範囲:P.1489 - P.1489

 今回は留学生が研究以外に何をしているのか,について書いてみます。
 余暇の過ごし方はインドア派とアウトドア派に分かれるようです。インドア派は典型的なカウチポテトとなって,休日はポテトチップでもかじりながら,映画やテレビを見ています。こちらのテレビには最近,closed captionのシステムが組み込まれています。これを作動させると,テレビの画面に登場人物の会話がすべて,文章として字幕になります。本来は聴力に問題のある人のためにできたシステムです。しかし(私のように)聴力には問題なくても頭の中身に問題があって英会話を理解できない情けない留学生には随分と便利で,おかげで最新の映画やテレビ番組もなんとか楽しめます。

特別講演・1【新連載】

白内障手術の歴史

著者: 三島済一

ページ範囲:P.1490 - P.1493

 1993年6月の関東眼科学会での三島済一先生の特別講演「白内障手術の歴史及び実際に手術を受けてみて」は多くの聴衆に感動を与えた。ここに手術の歴史の部分を再録することにし,若干の写真もお借りすることができた。

Group Discussion

画像診断研究会

著者: 菅田安男

ページ範囲:P.1543 - P.1544

 長年親しまれてきたグループディスカッション(GD)は業績上の性格が曖昧なことから,学会発表としての性格を確かにするよう研究会と呼ぶことになった(46回臨眼)。今回,英訳をresearch groupとするよう提案された。言葉の概念や両者の意味の重なる範囲ともはっきりしないが,当分様子を見ようということと思う。ついでに臨眼との関係を明確にして,日眼と対比した特色を持てるよう論議を待ちたい。
 今回もMR, CT,超音波に加えコンピュータ利用も画像診断研究会に寄せられた。画像診断の将来を創るという意味で大切な部分である。実際の応用例を重ねて診断法としての地歩を固めるまで,くりかえし発表を続けて欲しい。以下,座長のまとめである。(注:整理の都合上,毎年の誌上での発表まとめは,今年も,他のセッションと同じくグループディスカッションとして掲載することにしました。編集室)

視神経

著者: 若倉雅登

ページ範囲:P.1545 - P.1546

 今回で3回目となった「視神経」のグループディスカッションは,150名ほどの出席者のなかで3時間にわたって開催された。今回は視神経の基底にある「網膜神経節細胞」をミニシンポジウムとして取り上げ,約2時間をこの企画にあてた。この会では今後も「視神経」のみに限定せず,その基底にあるメディカルレチナや,視覚中枢の問題も討論する場としてはどうかと考えている。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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