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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床報告

アカントアメーバ角膜炎の瘢痕治癒後角膜が平坦化した1症例

著者: 関根麻紀1 高田美貴子2 木村知2 宮田和典2 新家真2 水流忠彦3 遠藤卓郎4

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京大学医学部附属病院分院眼科 3東京大学医学部附属病院角膜移植部 4国立予防衛生研究所寄生動物部

ページ範囲:P.1505 - P.1508

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 Acanthamoeba角膜炎の瘢痕治癒後,角膜曲率が著明に平坦化した1症例を報告した。症例は25歳の男性で,ソフトコンタクトレンズ装用歴は6年。右眼の眼痛を主訴に眼科を受診した。初診時視力は,20cm手動弁(矯正不能),角膜中央部に地図状の潰瘍を認めた。角膜擦過物の培養により,Acanth—amoebaのcystが検出された。検出されたcystのミトコンドリアのDNA分析を行ったところ,AcanthamoebaのMoak株であった。フルコナゾールの内服,点眼を行い,病変部は次第に改善した。しかし病変部に角膜曲率の平坦化と不正乱視を生じ,眼鏡矯正による視力は0.2であった。フォトケラトスコープ写真を用い,適切なハードコンタクトレンズを使用することにより矯正視力0.6を得た。今回のような眼鏡による矯正不能な不正乱視に対しては,十分な使用法の指導および検査を行いつつ,ハードコンタクトレンズによる視力矯正を行うことが必要であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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