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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床報告

広範な網膜硝子体出血を伴った結核性汎ぶどう膜炎の1例

著者: 松田彰1 小竹聡1 笹本洋一1 吉川浩二1

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1509 - P.1512

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 広範な網膜硝子体出血を伴う結核性汎ぶどう膜炎の1例を経験した。患者は20歳男性で,初診時に虹彩毛様体炎と網膜静脈炎,網膜硝子体出血が両眼にあり,左眼には隅角結節がみられた。ツベルクリン反応は6×5mmの発赤,血清アンジオテンシン変換酵素は正常であった。胸部X線検査で右肺尖部に結節状の陰影を認めたが,経気管支肺生検では診断を確定できなかった。両眼の硝子体出血が増強したため,ステロイド剤と抗結核剤の併用療法を開始した後に,前斜角筋リンパ節生検により結核性リンパ節炎の組織診断を得た。左眼は,薬物治療にて網膜血管炎の改善がみられ,網膜血管閉塞領域への光凝固を施行した。右眼は黄斑部病変と硝子体出血のため,視力は不良であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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