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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻8号

1994年08月発行

臨床報告

糖尿病患者の白内障術後に生じた血管新生緑内障の4例

著者: 塚原康友1 井上正則1 坂井智代2 文順永2

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室 2加古川市民病院眼科

ページ範囲:P.1513 - P.1517

文献概要

 糖尿病患者の白内障術後に生じた血管新生緑内障の4症例5眼について報告した。うち4眼は水晶体嚢外摘出術および眼内レンズ移植術,1眼は経毛様体扁平部水晶体切除術,前部硝子体切除術後であり,発症時期は術後6〜10か月後であった。3例では血管系の全身合併症を伴っており,さらにそのうちの2例は内頸動脈循環不全があった。両眼手術例では後嚢のない眼にのみ発症した。血管新生緑内障の発症については糖尿病のmicroangiopathyとしての網膜症のみならず,macroangiopathy (内頸動脈循環不全)にも留意すべきであり,血管系の全身合併症はそれを増悪させる因子であると考えられた。また,後嚢の存在は本症の発症に抑制的に働く可能性があると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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