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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床報告

発病初期より観察しえた桐沢型ぶどう膜炎の1例

著者: 尾山直子1 鈴木参郎助1 林康司1 佐賀正道1 安藤靖恭1 神園純一1 桂弘1 宗司西美2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2東海大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1521 - P.1526

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 桐沢型ぶどう膜炎は,近年,眼内液の検索によってヘルペス群ウイルスが関与していると考えられている。しかし,ウイルス感染から,桐沢型ぶどう膜炎の発生に至る過程についてはいまだ明らかではない。本症の発生機序を考える上で,その初期病変の観察は重要であると考えられるが,その詳細な報告例は少ない。今回,筆者らは,眼内液からpolymerase chain reaction法にて水痘帯状疱疹ウイルスのDNAを証明し,これに起因すると考えられた桐沢型ぶどう膜炎の28歳男子症例において,発病初期からの臨床経過を観察した。発病初期に,網膜血管からの螢光漏出を伴わない網膜深層の滲出性病巣が認められ,網膜動静脈の閉塞性病変に先行して,脈絡膜あるいは網膜色素上皮の障害が発生している可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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