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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床報告

強度近視に伴う黄斑円孔と特発性黄斑円孔の相違

著者: 今野優1 東由直1 梯彰弘1 秋葉純1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1539 - P.1542

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 強度近視に伴う黄斑円孔19例20眼と特発性黄斑円孔26例30眼の臨床像を比較検討した。発症年齢の平均は強度近視に伴う円孔では57歳,特発性円孔では62歳であり,前者は後者に比べて若かった(p<0.05)。特発性円孔はすべて正円形であった。強度近視性では不整形で虫喰い状を呈する円孔があった。蓋(operculum)は強度近視性の10%,特発性の43%にあった(p<0.05)。後部硝子体剥離は強度近視性の75%,特発性の33%にあった(p<0.05)。強度近視性の95%で広範な網膜剥離を合併していたが,特発性には網膜剥離の合併はなかった(p<0.01)。以上,強度近視に伴う黄斑円孔と特発性黄斑円孔は臨床像に明らかな相違があり,その病因も異なると考えられることから,両者は別の疾患であることが確認された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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