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臨床報告
文献概要
強度近視に伴う黄斑円孔19例20眼と特発性黄斑円孔26例30眼の臨床像を比較検討した。発症年齢の平均は強度近視に伴う円孔では57歳,特発性円孔では62歳であり,前者は後者に比べて若かった(p<0.05)。特発性円孔はすべて正円形であった。強度近視性では不整形で虫喰い状を呈する円孔があった。蓋(operculum)は強度近視性の10%,特発性の43%にあった(p<0.05)。後部硝子体剥離は強度近視性の75%,特発性の33%にあった(p<0.05)。強度近視性の95%で広範な網膜剥離を合併していたが,特発性には網膜剥離の合併はなかった(p<0.01)。以上,強度近視に伴う黄斑円孔と特発性黄斑円孔は臨床像に明らかな相違があり,その病因も異なると考えられることから,両者は別の疾患であることが確認された。
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