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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻9号

1994年09月発行

文献概要

臨床報告

増殖性網膜症を合併した全身性強皮症と多発性筋炎のoverlap症候群の1例

著者: 新名美奈子1 桂弘1 別院泰樹1 河井克仁2 御手洗哲也3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2埼玉医科大学総合医療センター眼科 3埼玉医科大学総合医療センター内科

ページ範囲:P.1577 - P.1581

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 全身性強皮症と多発性筋炎のoverlap症候群に増殖性網膜症を合併した1例を経験した。症例は22歳女性で,両眼の眼底に軟性白斑,網膜出血を広汎に認めた。経口ステロイド療法が開始され,全身状態は改善したにもかかわらず眼底所見は進行し,4か月後に視神経乳頭上新生血管,8か月後に線維血管性増殖組織,硝子体出血,牽引性網膜剥離が生じ,硝子体手術を施行した。全身性強皮症や多発性筋炎に増殖性網膜症を合併することは稀であるが,本症例ではステロイド療法により血管炎が消退するまでの間に不可逆性の網膜毛細血管閉塞を生じたものと推察した。これらの膠原病における早期治療と眼底検査の重要性が痛感された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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