臨床報告
きびしい診断基準とゆるい診断基準のドライアイについての多施設共同研究
著者:
引地泰一12
吉田晃敏1
福井康夫2
濱野孝3
李三栄3
荒木かおり3
堀本幸嗣3
高村悦子4
北川和子5
大山充徳5
檀上幸孝6
近藤晶子7
藤島浩89
戸田郁子8
坪田一男89
所属機関:
1旭川医科大学眼科学教室
2釧路赤十字病院眼科
3大阪船員保険病院眼科
4東京女子医科大学眼科学教室
5金沢医科大学眼科学教室
6国立大阪病院眼科
7熊本大学医学部眼科学教室
8東京歯科大学市川病院眼科
9亀田総合病院幕張クリニック眼科
ページ範囲:P.1621 - P.1625
文献購入ページに移動
涙液の異常と眼球表面の障害を有するdefinrte dry eye患者359名と,涙液の異常あるいは眼球表面の障害のいずれかを有するprobable dry eye患者394名との臨床的特徴を比較した。「目の乾燥感」を訴えたprobable dry eye患者の割合(15%)は,definite dry eye患者のそれ(27%)と比べ,有意に低率であった(p<0.01)。Definite dry eye患者では,各症状の出現頻度に月による差が認められたが,probable dry eye患者では,いずれの症状においても,その出現頻度に月による差を認めなかった。Probabie dry eyeには,男女差がなく,季節の影響を受けないことから,probable dry eyeは涙液の減少による眼球乾燥症のみの単一の疾患ではないと考えられる。