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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻9号

1994年09月発行

文献概要

臨床報告

網膜下に濃厚な滲出斑を生じたサルコイドーシスの1例

著者: 杉元伸子1 阿彦麻也1 森嶋直人1 赤沢嘉彦1 百野伊恵2 三宅修司3

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部眼科学教室 2茅ヶ崎徳洲会総合病院眼科 3東京医科歯科大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1633 - P.1637

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 強い網膜下滲出斑のあるサルコイドーシスの1症例を経験した。症例は59歳の女性。主訴は左眼飛蚊症。初診時,左眼の前房中および硝子体中に軽度の細胞浸潤が認められ,左眼眼底は鼻下側の赤道部から周辺部に,コーツ病類似の黄白色滲出斑と網膜血管の拡張と蛇行が観察された。螢光眼底造影所見では,左眼網膜血管からの著しい螢光漏出が鼻下側の滲出性病変に一致して認められた。全身所見では,アンギオテンシン変換酵素の上昇と,経気管支肺生検において非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の所見が得られ,サルコイドーシスと診断した。サルコイドーシスの眼病変は種々の病態を呈する場合があるので,非定型的な症例でもサルコイドーシスの存在を念頭におく必要があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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