文献詳細
特集 ICG螢光造影
シンポジウム「ICG螢光造影所見の読影」
文献概要
網膜,脈絡膜の組織内におけるインドシアニングリーン(ICG)の局在を直接証明する方法を確立し,ラット眼を用いて正常状態,さらに光凝固,オルニチン硝子体注入を行った病的状態でのICGの局在を組織学的に証明した。正常眼では,網膜色素上皮,網膜血管にICGに対する血液網膜関門機能があり,網膜実質内にICGは証明されなかった。脈絡膜では,ICGは脈絡膜毛細血管板から徐々に血管外に漏出し,脈絡膜内から強膜へびまん性に拡散した。光凝固により脈絡膜毛細血管板を閉塞するとICGは毛細血管板内に流入せず造影早期に低螢光を示した。凝固後2週に毛細血管板は再開通したが,色素上皮が増殖,過形成した部は低螢光となり,脈絡膜螢光をブロックすることがわかった。オルニチンにより網膜色素上皮を選択的に障害して壊死に陥った色素上皮細胞へはICGの組織染がみられた。これらはICG螢光造影の読影の基礎となる主要な知見である。
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