文献詳細
特集 ICG螢光造影
シンポジウム「ICG螢光造影所見の読影」
文献概要
インドシアニングリーン(ICG)による螢光眼底検査法は,脈絡膜新生血管の検索のみではなく脈絡膜血管構築や循環動態の検索に有用な検査法である。今回健常な若年者および壮年者に対して本検査を施行し,脈絡膜血管の形態観察および循環動態の加齢性変化の検索を行った。使用した装置はトプコン501A-ICGビデオシステムで,初期撮影用に780nmのダイオードレーザーを使用する二重光源式の改良型装置である。対象は,20〜30歳の比較的若年者27例27眼,50歳台の壮年者21例21眼の健常眼である。
初期像では,耳側短後毛様動脈の支配領域の充盈が若年者,壮年者とも鼻側より早く,後極・黄斑部の螢光輝度が高く,血流が豊富であることが確認された。また黄斑部への優先血行路ともいうべき黄斑動脈の存在が,臨床的に初めて示唆される所見が得られた。壮年者では輸入血管の蛇行・狭細化が顕著で,若年者で明瞭に観察された視神経乳頭を中心として垂直に走る流入遅延部がほとんど観察されないなど血管の加齢性変化が認められた。後期後極部では,若年者では淡く均一に螢光されるが,壮年者では不均一に螢光され顆粒状の低螢光点が多くの症例で観察された。これはBruch膜あるいは色素上皮の加齢性変化による螢光遮断と考えられた。
これらの所見は新知見であり,ICG螢光眼底検査により脈絡膜血管の加齢性変化が具体的に明らかとなり,今後の本検査時の読影の基礎となる所見である。
初期像では,耳側短後毛様動脈の支配領域の充盈が若年者,壮年者とも鼻側より早く,後極・黄斑部の螢光輝度が高く,血流が豊富であることが確認された。また黄斑部への優先血行路ともいうべき黄斑動脈の存在が,臨床的に初めて示唆される所見が得られた。壮年者では輸入血管の蛇行・狭細化が顕著で,若年者で明瞭に観察された視神経乳頭を中心として垂直に走る流入遅延部がほとんど観察されないなど血管の加齢性変化が認められた。後期後極部では,若年者では淡く均一に螢光されるが,壮年者では不均一に螢光され顆粒状の低螢光点が多くの症例で観察された。これはBruch膜あるいは色素上皮の加齢性変化による螢光遮断と考えられた。
これらの所見は新知見であり,ICG螢光眼底検査により脈絡膜血管の加齢性変化が具体的に明らかとなり,今後の本検査時の読影の基礎となる所見である。
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