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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻1号

1995年01月発行

文献概要

臨床報告

腎透析患者に発症した多発性後極部網膜色素上皮症

著者: 松田直子1 山口玲2 林倫子2

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2神戸逓信病院眼科

ページ範囲:P.135 - P.139

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 両眼の多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)を発症した腎臓透析中の患者を経験した。初診時に網膜血管炎,硝子体混濁を伴う後極部の扁平な漿液性網膜剥離を認めたため副腎皮質ステロイド薬(プレドニン®)治療を開始した。網膜血管炎,硝子体混濁は軽快したが,両眼の胞状剥離をきたしたので螢光色素漏出部に対してレーザー光凝固を行った。ステロイドによりMPPEが悪化したという報告もあるが,本症例ではステロイドは血管炎鎮静化に寄与していると考えられた。MPPEの発症メカニズムについて考察を加え,胞状剥離を伴わないMPPE類似疾患と,胞状剥離を伴うMPPEとは区別したほうがよいと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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