文献詳細
臨床報告
文献概要
強角膜ぶどう腫および慢性緑内障を基盤として特発性駆逐性脈絡膜出血の前段階である特発性脈絡膜出血を示した症例を報告した。患者は41歳の女性で数日前から右眼痛と流涙を認め,排便時に力んだ際に突然右眼激痛と頭痛をきたした。両眼に著明な強角膜ぶどう腫,角膜混濁,角膜への結膜上皮侵入を呈し,右眼角膜中央部にはフルオレスチン液の貯留があり,ザイデルテストは陰性であった。眼底は角膜混濁のため透見不能であった。右眼は視力0であり,眼圧コントロール不能な緑内障を呈し,眼痛が著しかったため右眼球摘出術を行った。病理診断にて角膜潰瘍,前房消失,脈絡膜出血があり,脈絡膜出血による続発緑内障と診断された。
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