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臨床報告
文献概要
核白内障眼の視機能を具体的に把握する目的で,核混濁模型水晶体を試作し,混濁程度に伴う水晶体解像力の低下を分光透過率,空間周波数特性(MTF),および模型水晶体を通して得られる像から評価した。模型水晶体は2枚のガラスレンズを張り合わせ,中心の空洞部にラテックスの懸濁液を注入して作成した。混濁程度はScheimpflug画像からの散乱光強度測定により定量判定した。分光透過率は混濁程度の上昇に伴い低下する傾向を示したが,可視光域では程度Ⅲでも15%の低下しかみられなかった。MTFも混濁が増すにつれて低下を認め,混濁程度Ⅲ前後から顕著な低下傾向を示した。シミュレーション像からは,混濁程度Ⅱを越えるあたりから像のコントラスト,および明度の低下を認めた。核混濁(白濁)に伴う,視認性への影響は混濁程度Ⅲからと推測された。
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