icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻1号

1995年01月発行

文献概要

臨床報告

Apraclonidine点眼の球後麻酔後眼圧に及ぼす効果

著者: 石井清1 新家真2

所属機関: 1江口眼科病院 2東京大学医学部付属病院分院眼科

ページ範囲:P.179 - P.182

文献購入ページに移動
 球後麻酔は眼窩内圧上昇による眼圧を上昇させる作用を有している。白内障手術眼にApra—clonidine術前点眼を行い,特に球後麻酔前後の眼圧を検討した。対象は35眼の老人性白内障手術予定眼であり,手術開始60分前に手術眼に,1%Apraclonidine (処置群)もしくは基剤(基剤群)を点眼し,術前の眼圧経過を二重盲検法にて測定した。なお,球後麻酔は4mlの2%mepivacaineにより,Honan's balloonを用いて40mmHg,5分間の後圧迫を行った。術前平均眼圧は両群ともに約16mmHgであったが,球後麻酔直後は基剤群24.9mmHg,処置群18.0mmHgと上昇した(p<0.01)。圧迫後に基剤群16.6mmHg,処置群13.4mmHgに下降した(p<0.01)。球後麻酔および圧迫後の眼圧は処置群で平均6.9および3.2mmHg低かった(p<0.01)。
 1%Apraclonidine点眼は白内障手術予定眼の球後麻酔による眼圧の上昇を効果的に抑え,本剤点眼による球後麻酔後の圧迫時間を大幅に短縮できる可能性が示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?