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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻10号

1995年10月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

免疫組織化学染色にて診断した結膜悪性リンパ腫の2例

著者: 平由起1 松尾俊彦1 藤本美樹1 松尾信彦1 吉野正2 赤木忠厚2 吉武秀子3 野間英孝4

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2岡山大学医学部第2病理学教室 3高島眼科医院 4府中総合病院眼科

ページ範囲:P.1633 - P.1637

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 結膜原発の悪性リンパ腫を2例経験した。2例とも片眼性であり,結膜悪性リンパ腫に特徴的な境界鮮明なサーモンピンク色調の腫瘍を形成し,1例は他に掻痒感,眼痛等を訴え,もう1例は充血,異和感,流涙を主訴とした。結膜原発の悪性リンパ腫は非ホジキンリンパ腫B細胞型びまん性小細胞型,中細胞型が多いという従来の報告に一致して,1例は小細胞型,1例は中細胞型であった。これらのタイプは低〜中等度悪性で,2例とも全身転移はなく結膜に限局しており,従来の放射線療法,化学療法の効果と副作用を考慮し,患者の同意を得た上で未治療のまま経過観察しているが,現在のところ腫瘍の増大はない。リンパ系腫瘍の場合,生検組織の免疫組織化学染色の結果に基づいて,治療法を選択することが重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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