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特集 眼科診療に役立つ基本データ 16瞳孔
16-1.交感神経・副交感神経の走行
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ページ範囲:P.172 - P.173
文献購入ページに移動 眼球への交感神経支配は長い経路を持っている。間脳視床下部の交感神経中枢(図中の①)からは,中脳副交感神経核(E-W核⑪:後述)への抑制性の枝(②)以外に,脊髄を下降して最下部頸髄C8から胸髄T1,T2の間にある毛様脊髄中枢(Ciliospinal center of Budge③)に至る。ここからノイロンを換え星状神経節を通り過ぎた後,肺尖部で鎖骨下動脈(④)の下をくぐり頸動脈に沿って上行し,上頸神経節(⑤)でノイロンをふたたび換える。その後外頸動脈が分かれるところで顔面の血管・汗腺・唾液腺を支配する枝と分かれ,内頸動脈(⑥)に沿って神経叢(⑦)を形成しながら上行し頭蓋内に至る。外転神経(⑧)と交差するところで,主要部は短距離間だけ外転神経に吻合した後,三叉神経第1枝(眼神経⑨)に移る。他は内頸動脈から眼動脈にそって眼窩内に入り,眼瞼や涙腺にいたる。主要部は眼神経として眼窩内に入り分かれて鼻毛様神経となり,さらに分かれて長毛様神経(⑩)となり眼球内に入り毛様体と瞳孔散大筋に分布する。
副交感神経は動眼神経核背側にあるEdinger-Westphal核(E-W核⑪)から始まる。E-W核は対光反応経路として走行し,下枝(⑫),下斜筋枝(⑬)と分かれさらに視神経耳側にある毛様神経節(⑭)でノイロンを換える。節後神経は短毛様神経(⑮)となり視神経周囲で強膜を貫き前走し毛様体と瞳孔括約筋に分布する。視蓋前域核から両側性に興奮性ノイロンを受ける(16-3参照)とともに,視床下部交感神経中枢から抑制性のノイロン(②)も受けている。
副交感神経は動眼神経核背側にあるEdinger-Westphal核(E-W核⑪)から始まる。E-W核は対光反応経路として走行し,下枝(⑫),下斜筋枝(⑬)と分かれさらに視神経耳側にある毛様神経節(⑭)でノイロンを換える。節後神経は短毛様神経(⑮)となり視神経周囲で強膜を貫き前走し毛様体と瞳孔括約筋に分布する。視蓋前域核から両側性に興奮性ノイロンを受ける(16-3参照)とともに,視床下部交感神経中枢から抑制性のノイロン(②)も受けている。
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