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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻12号

1995年11月発行

文献概要

臨床報告

脈絡膜に発生した好酸球性肉芽腫の1例

著者: 野村美香1 秋葉純1 石子智士1 古屋文康1 清水亜紀1 吉田晃敏1 沖坂重邦2

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室 2防衛医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1749 - P.1752

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 網膜剥離を伴う脈絡膜腫瘤に対して,悪性腫瘍を否定できず眼球摘出を行ったところ,組織学的に好酸球性肉芽腫と診断した1例を経験した。症例は25歳男性で,右眼視神経乳頭の上方に約4乳頭径大のオレンジ色の腫瘤を認めた。螢光眼底造影では,腫瘤に一致する部位に初期より点状の過螢光がみられた。超音波検査では充実性腫瘤を認めた。経過観察中に腫瘤の明らかな増大がみられたため,眼球摘出を行ったところ,病理組織検査で脈絡膜の腫瘤部に多数の好酸球を認め,脈絡膜好酸球性肉芽腫と診断した。本症例では虫体は検出されず,血清中の抗体も陰性であったが,好酸球性肉芽腫の原因として寄生虫感染が疑われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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