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臨床報告
先天無虹彩の隅角の組織所見
著者: 浅川学1 東範行1
所属機関: 1国立小児病院眼科
ページ範囲:P.1799 - P.1802
文献購入ページに移動 先天無虹彩5例7眼の隅角および周囲組織の病理所見を光学顕微鏡で観察した。いずれも全身合併症があり,早期死亡例のため緑内障の有無は不明であった。全例で隅角線維柱帯の形成不全があり,2眼で線維柱帯細胞は配列が不規則であった。5眼は形成不全が高度で,充実組織となっていた。シュレム管は2眼では存在していなかった。管腔がみられた5眼のうち,1眼はほぼ正常であり,1眼は狭小であった。3眼は細い管腔が多数存在し,通常よりは後方やや外側に広く分布していた。したがって重篤な先天無虹彩では,シュレム管にまでおよぶ隅角組織の発生異常が存在し,これが早期に発症する緑内障の予後不良の原因となるものと推測された。
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