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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻12号

1995年11月発行

臨床報告

高安病の赤外螢光眼底造影所見

著者: 須藤憲子1 村岡兼光1 高橋京一1 町田史子1 田中隆行1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1811 - P.1819

文献概要

 走査レーザー検眼鏡(SLO)により,高安病5例5眼で広角赤外螢光造影を行い,脈絡膜循環を観察した。造影初期は後極部,静脈相に入ってから周辺部循環を観察した。また,パノラマ眼底像を作成し,眼底全域の脈絡膜循環動態を検索した。その結果,5例中3例に脈絡膜循環異常が存在した。網膜血管吻合期の1例では,著しい脈絡膜循環遅延があり,脈絡膜動脈は拡張し,起始部から周辺まで明瞭に観察できた。また,脈絡毛細管板の螢光輝度は眼底全体で低く,充盈欠損部が多発し,脈絡膜静脈は全体に狭窄していた。毛細血管瘤期の2例中1例では,脈絡毛細管板の斑状の充盈欠損があり,他の1例では循環遅延のみで,形態的な変化はなかった。慢性的に動脈圧が低下する高安病では,脈絡膜循環遅延だけでなく,形態的変化が起こりうることが証明された。これは脈絡膜血管の反応様式を知る重要な知見であると判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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