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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻13号

1995年12月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・110

眼内悪性リンパ腫

著者: 坂本泰二1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1838 - P.1839

文献概要

 眼内悪性リンパ腫intraocular malignantlymphomaは,眼球内に発生する悪性リンパ腫である。従来,悪性リンパ腫は腫瘍細胞が細網細胞系であると考えられ,細網肉腫reticulum cellsarcomaと呼ばれてきたが,近年の研究で腫瘍細胞はリンパ球由来であることが証明され,悪性リンパ腫と言われるようになった。
 眼内悪性リンパ腫は,眼および脳を原発とする中枢神経系悪性リンパ腫と全身性の悪性リンパ腫に伴うものがある。前者は感覚網膜や網膜色素上皮下を中心に腫瘍細胞が浸潤し,しばしば高度の硝子体混濁を伴う。後者は眼病変を伴うことは少ないが,まれにぶどう膜に腫瘍細胞が浸潤する。いずれにしても,腫瘍細胞の浸潤が一見ぶどう膜炎様の臨床症状を示す(図1)。いわゆる仮面症候群masquerade syndromeの代表的な疾患のひとつである。眼原発悪性リンパ腫は,中年以降に発症することが多い。性差はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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