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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻13号

1995年12月発行

文献概要

臨床報告

強度近視眼の後極部にみられる異常脈絡膜静脈の存在

著者: 大野京子1 森嶋直人1 山下悟1 伊藤睦子1 所敬1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1861 - P.1866

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 126名224眼の強度近視眼に対し,眼底後極部に流出路を有する異常脈絡膜静脈の頻度および病的意義について,インドシアニングリーン赤外蛍光眼底造影(ICG造影)を用いて検討した。その結果,57眼(25.4%)に後極部に眼外流出路を有する異常な脈絡膜静脈系血管を認めた。その内訳は,乳頭縁から眼外へ流出する脈絡膜視神経鞘静脈が34眼,乳頭縁に連絡せず,黄斑付近に流出路を有する黄斑部渦静脈が25眼であった。したがって,強度近視眼では約1/4の症例において,異常脈絡膜静脈が後極内の脈絡膜血流の流出路として機能していた。また,異常脈絡膜静脈の存在する眼では,強膜を貫く部位で強膜の脆弱性を生じ,近視発生の一因となっている可能性も考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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