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臨床報告
コーバン屈折型多焦点眼内レンズの臨床成績
著者: 庄司信行1 清水公也1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科
ページ範囲:P.1867 - P.1873
文献購入ページに移動 コーバン屈折型多焦点眼内レンズ(ストルツ,米国)の臨床試験を42例53眼に行い,脱落症例5眼を除いた48眼についてその術後成績を検討した。光学径が異なる68—STUVとP359—TUVの2種類を使用し,平均観察期間は21.7か月と10.8か月であった。術後の遠方矯正視力が1.0以上であった症例の割合は,68—STUV 33眼中29眼で82%,P359—TUV 15眼中13眼で87%であった。遠方矯正時の近方視力が0.7以上であった症例の割合は,それぞれ88%と93%であった。全例で眼鏡不要あるいは1種類の眼鏡のみで遠方0.7以上,近方0.4以上の視力が得られた。患者の印象は「良かった」以上がいずれも100%であり,また,安全性に関して問題はなかった。有用性の評価は,全例で「有用」以上であった。特に小さいモデルであるP359—TUVは術後の乱視コントロールが容易であり,裸眼視力の良好な症例が多く,遠近とも眼鏡不要と考えられた症例の割合が高かった。以上から,当レンズは臨床上有用な多焦点眼内レンズであると考えられた。
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