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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻13号

1995年12月発行

文献概要

臨床報告

超音波水晶体乳化吸引術における粘弾性物質の角膜内皮保護効果

著者: 石井清1 江口甲一郎2 大鹿哲郎3

所属機関: 1大宮赤十字病院眼科 2江口眼科病院 3東京大学眼科学教室

ページ範囲:P.1883 - P.1886

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 超音波水晶体乳化吸引術における粘弾性物質の角膜内皮保護術後効果を,数量化1類による多変量解析で検討した。対象は眼合併症のない白内障患者141症例147眼であり,超音波乳化吸引術操作前に前房内に注入する粘弾性物質により高分子量群(ヒーロン,48症例52眼),中分子量群(オペリード®,52症例54眼),低分子量群(オペガン®,41症例41眼)に分類した。角膜内皮細胞撮影は,術前,術後90日に行った。術式はすべて強角膜切開二手法,眼内レンズ挿入術とした。眼内レンズ挿入術時には,すべてヒーロンを使用した。従属変数を角膜内皮細胞数減少率,独立変数を使用した粘弾性物質の種類,年齢,手術時間,超音波発振時間,超音波総エネルギー量,および灌流量とし,多変量解析を行った。角膜内皮細胞数減少率に関連の高い因子は,粘弾性物質,手術時間,および灌流量(p<0.01〜0.05)であり,高分子量群に比べ中および低分子量群で角膜内皮減少率は有意に低いとの結果が得られた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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