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臨床報告
文献概要
解離性大動脈瘤破裂により死の転帰をとった球状角膜症の1例を経験した。患者は34歳の女性で思春期から円錐角膜を指摘され,左眼は31歳で全層角膜移植を受けたが,未処置の右眼は球状角膜に移行した。右眼に対し,1〜2mm幅の強膜をつけたonlay lamellar keratoplastyを行った。これにより穿孔の危険はなくなり,術後1年で矯正視力は0.4となった。突然死は35歳7か月の時点で生じた。本症例は,球状角膜を有する患者においては,一般検査で異常が検出されなくても何らかの全身的な結合組織異常を隠している可能性があることを示した。また,今回採用された術式は周辺角膜が極度に菲薄化した症例に対して有用であることが示された。
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