文献詳細
文献概要
臨床報告
視力障害を示した副鼻腔原発アスペルギルス症
著者: 松山武1 星田徹1
所属機関: 1明治橋病院脳神経外科
ページ範囲:P.1913 - P.1915
文献購入ページに移動 視力障害で発症した副鼻腔原発のアスペルギルス症の1例について報告した。症例は23歳女性で左眼の急激な視力低下をきたし,ついでけいれん発作も引き起こした。神経放射線学的に上顎洞から蝶形骨洞,篩骨洞にかけての占拠性病変がみられた。手術により副鼻腔を満たしている膿汁をドレナージし,視神経を減圧した。組織病理検査によりアスペルギルスを検出し,アスペルギルス症と診断した。抗真菌剤を投与することにより神経症状は軽快した。視神経障害を伴う副鼻腔炎の所見を得れば,アスペルギルス症も念頭におき早急な治療が必要と思われる。
掲載誌情報