文献詳細
臨床報告
文献概要
1989年1月から1993年12月までの5年間に昭和大学病院において手術を行った眼窩底骨折200例の,眼球運動障害,骨折性状,手術時期などを予後と併せて検討した。年齢は,4歳から71歳,平均24歳で男女比はほぼ5対1であった。眼球運動障害は,上転障害が約半数で,次に上下転障害,下転障害が多かった。骨折性状を骨欠損型とトラップドアを含む線状骨折型に分け,手術までの期間別に複視の予後を検討した。
骨欠損型では,1か月以内の手術例の改善率はそれぞれ60%で期間別に差はみられなかった。線状骨折型では,3日以内の手術例の改善率は83%で,4日以降の手術例との間に1%の危険率で有意な差を認めた。
術前眼球陥凹の著しい3ミリ以上の症例は16例で,そのうち3例が術後も3ミリ以上の眼球陥凹を残した。それらの症例はいずれも手術までの期間が1か月以降のものであった。
眼球運動と眼球陥凹の予後は,診断がつき次第早期に手術を行ったものほど良好であった。
骨欠損型では,1か月以内の手術例の改善率はそれぞれ60%で期間別に差はみられなかった。線状骨折型では,3日以内の手術例の改善率は83%で,4日以降の手術例との間に1%の危険率で有意な差を認めた。
術前眼球陥凹の著しい3ミリ以上の症例は16例で,そのうち3例が術後も3ミリ以上の眼球陥凹を残した。それらの症例はいずれも手術までの期間が1か月以降のものであった。
眼球運動と眼球陥凹の予後は,診断がつき次第早期に手術を行ったものほど良好であった。
掲載誌情報