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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻13号

1995年12月発行

文献概要

臨床報告

眼窩底骨折手術200例の予後

著者: 高野馨1 土屋明1 戸塚伸吉1 三方修1 小出良平1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1917 - P.1921

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 1989年1月から1993年12月までの5年間に昭和大学病院において手術を行った眼窩底骨折200例の,眼球運動障害,骨折性状,手術時期などを予後と併せて検討した。年齢は,4歳から71歳,平均24歳で男女比はほぼ5対1であった。眼球運動障害は,上転障害が約半数で,次に上下転障害,下転障害が多かった。骨折性状を骨欠損型とトラップドアを含む線状骨折型に分け,手術までの期間別に複視の予後を検討した。
 骨欠損型では,1か月以内の手術例の改善率はそれぞれ60%で期間別に差はみられなかった。線状骨折型では,3日以内の手術例の改善率は83%で,4日以降の手術例との間に1%の危険率で有意な差を認めた。
 術前眼球陥凹の著しい3ミリ以上の症例は16例で,そのうち3例が術後も3ミリ以上の眼球陥凹を残した。それらの症例はいずれも手術までの期間が1か月以降のものであった。
 眼球運動と眼球陥凹の予後は,診断がつき次第早期に手術を行ったものほど良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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