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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

強角膜症を合併した先天白内障の1例

著者: 脇山はるみ1 宮華青1 津田恭央1 嵩義則1 北岡隆1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.353 - P.356

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 生後6か月の女児に両眼の強角膜症と小角膜がみられ,先天白内障を合併していた。染色体は46XX,正常核型であった。生後1か月に白内障に対し両眼経扁平部水晶体切除術を施行し,同時に虹彩切除を行った。切除虹彩の光学顕微鏡所見として血管周囲に硝子様物質の沈着,色素の減少がみられ,電子顕微鏡的にも色素細胞中の色素顆粒が少なく,細胞質の電子密度が低い結果が得られた。強角膜症,虹彩異常は神経堤細胞の遊走異常と考えられた。水晶体は外胚葉由来であり,神経堤細胞はその形成に直接は関与しないが,強角膜症に先天白内障が合併した例は欧米ではまれではない。わが国ではわれわれの知る限り本症例が第1例目である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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