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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

白内障術後角膜不正乱視の定量的検討

著者: 大鹿哲郎1 富所敦男2

所属機関: 1東京厚生年金病院眼科 2大宮赤十字病院眼科

ページ範囲:P.365 - P.371

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 角膜形状解析装置で測定した円周上の角膜屈折力を正弦曲線に近似し,回帰残差を計算する方法で,白内障手術後の角膜不正乱視を定量的に検討した。対象は白内障手術症例48例48眼で,6.5mm強膜切開創縫合閉鎖法(19眼),3.2mm強膜切開創自己閉鎖創法(18眼),3.4mm角膜切開創縫合閉鎖法(11眼)の3法で手術を行い,術前,術後1週,2週,2か月の4点で解析した。3群の不正乱視係数は,術後すべての測定点で有意な差を示し(p<0.01,一元配置分散分析),6.5mm強膜切開創群の値は全期間を通じて3.2mm強膜切開創群より高く(p<(0.05,Bonferroni多重比較),角膜切開創群は術後1週で3.2mm強膜切開創群より高い値を示した(p<0.05)。Cravy法,Jaffe法,Holladay法で解析した正乱視の平均値は,いずれも群間で有意差のないものであった。以上の結果から,正弦曲線近似法により角膜不正乱視を正乱視から分離して解析することが可能であり,創口幅の小さい強膜切開創ほど角膜不正乱視に与える影響が小さいものと結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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