文献詳細
特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1)
学会原著
文献概要
インスリン依存型糖尿病と診断された患者で発症時から経過観察し得た43例につき,糖尿病発症時年齢を思春期で分け,各群につき罹病期間およびコントロール状態が網膜症発症に及ぼす影響につき検討した。思春期後発症群では,網膜症発生率は高く,コントロール不良なものに早期に重症となるものが多かった。何らかのpuberty factorに,コントロール不良という因子が加わると網膜症が発生,重症化しやすいものと考えられた。思春期前発症群では,HbA1c値と網膜症の程度には関係はみられず,罹病期間が長くかつ高いHbA1c値にもかかわらず未発症の症例も多く,何らかの抑制因子の存在が示唆された。
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