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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

桐沢型ぶどう膜炎患者の前房水から検出された水痘帯状ヘルペスウイルスゲノムのPst I制限酵素による解析

著者: 熊野祐司1 真鍋純一2 濱本美佳1 川野庸一1 菅井滋1 久保田敏昭1 猪俣孟

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2九州大学遺伝情報実験施設

ページ範囲:P.427 - P.430

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 65歳女性の片眼性桐沢型ぶどう膜炎の病因検索のためにpolymerase chain reaction法で患者の眼組織から水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)ゲノムの検出を試みた。プライマーはVZVに特異的な5’-TTCAGCCAACGTGCCAATAAA-3'と5'-GACGCGCTTAACGGAAGTAAC-3’を使用した。前房水からVZVゲノムを検出できたが,硝子体からはVZVゲノムは検出されなかった。
 日本で分離されたVZVゲノムの25%はPstⅠ制限酵素で切断されない点変異株(Pst I-site-less mutation)であるという報告があり,また日本人桐沢型ぶどう膜炎からPst I-site-less mutationが検出されたとの報告があるため,株の同定を行った。陽性コントロールのVZVゲノムはPst I-site-less mutationであるためPstⅠ制限酵素で切断されなかった。しかし,筆者らが検出したVZVゲノムはPst I制限酵素で2断片に切断された。以上の結果から,筆者らが桐沢型ぶどう膜炎患者から検出したVZVゲノムはPst I制限酵素で切断される通常のVZV株であることが判明した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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