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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

結膜悪性黒色腫の治療

著者: 竹原昭紀1 嵩義則1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.431 - P.434

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 症例は66歳,女性。主訴は右眼眼瞼結膜の腫瘤および色素沈着。幼少時より右眼球結膜にあった褐色の色素沈着の範囲が広がって,長崎大学眼科を受診した。結膜悪性黒色腫の疑いで経過観察中に脳梗塞を起こし,以後受診しなかった。5年後の再診時には,右眼上眼瞼結膜耳側の眼瞼縁近傍に黒褐色で有茎の腫瘤があり,上下眼瞼結膜と球結膜に広範な色素斑があった。腫瘤とその周囲の眼瞼のみを切除し,眼瞼機能と視機能を温存した。病理組織学的には,色素顆粒を伴った紡錘型ならびに類上皮型細胞による悪性黒色腫であった。術後6か月,再発転移はない。長期間にわたる眼瞼・球結膜メラノーシスが悪性化した場合,その進行が緩徐であり,病巣が広汎であることから,眼窩内容除去術ではなく局所的眼瞼切除術でもよいと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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