icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

網膜静脈分枝閉塞症の水晶体螢光

著者: 吉田紳一郎1 林振民1 中村昌弘1 新井清美1 小原喜隆1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院眼科

ページ範囲:P.465 - P.468

文献購入ページに移動
 網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)における血液房水柵機能障害が水晶体に及ぼす影響について水晶体自発螢光と前房フレアー値を指標に検討した。
 対象は臨床的に白内障がないBRVO患者50眼(平均59.9歳)である。水晶体自発螢光の測定は前眼部撮影装置を用いて,水晶体を撮影した。撮影の条件は光源のキセノンランプ,水晶体およびカメラの角度を90°に設定し,光路上に励起フィルターと螢光フィルターを装着して計測した。BRVO眼の水晶体螢光強度は僚眼や対照に比べ有意に高かった(p<0.05)。前房フレアー値も高値を示した。また網膜毛細血管床閉塞の範囲や罹病期間と正の相関を示した。BRVO眼では血液房水柵の障害によって水晶体蛋白の代謝障害を生じ,水晶体螢光が増加したものと推察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?