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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

巨大虹彩結節が多発したサルコイドーシスによる片眼性虹彩毛様体炎の1例

著者: 伊比健児1 村上忠正1 高橋広1 秋谷忍1

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.505 - P.508

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 片眼に多発性の巨大虹彩結節を形成したサルコイドーシス虹彩毛様体炎の1例を経験した。症例は23歳男性で,左眼視力低下を主訴に受診した。矯正視力は右 1.0,左眼前手動弁,眼圧は右 14mmHg,左30 mmHg,右前眼部に異常を認めず,左眼には毛様充血,豚脂様角膜後面沈着物,前房を埋て尽くす程の血管侵入を伴う黄白色の多数の巨大な虹彩結節を認めた。アンギオテンシン変換酵素や血清リゾチームの高値,肺門リンパ節腫脹,結膜および鎖骨下リンパ節生検でのリンパ球に囲まれた肉芽腫組織所見などが認められ,サルコイドーシスと診断した。ベタメタゾン6mgからの漸減療法と0.1%ベタメタゾン点眼で治癒し,左矯正視力0.8に回復し,眼圧も正常化した。この症例には,他眼に虹彩毛様体炎がみられなかったこと,ステロイドによく反応し予後が良好であったこと,後眼部に強い炎症所見がみられなかったなどの特徴があった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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