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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻3号

1995年03月発行

臨床報告

MRSA眼感染症に対するバンコマイシン点眼液の使用経験

著者: 田所康徳1 大月洋2 岡野正樹2 渡辺聖3

所属機関: 1三原赤十字病院眼科 2岡山大学医学部眼科学教室 3栗林病院眼科

ページ範囲:P.521 - P.525

文献概要

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の眼感染症の1症例に対して,バンコマイシン点眼液を作成して加療した。症例は81歳女性,右眼の慢性涙嚢炎と表層角膜炎を認め,涙嚢洗浄で逆流した膿からMRSAが単独に検出された。患者本人の訴えが軽微で,高齢であることから,手術的治療は行わず,感染に対するコントロールのみを目標とした。薬剤感受性検査で,当院に採用されている点眼薬にはすべて耐性を示したため,バンコマイシンの点眼液を作成して治療した。点眼開始後2週間めにはなお微量のMRSAが検出されたが,その後は点眼を中止した後にも検出されず,当初の目標は達成された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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