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第48回日本臨床眼科学会専門別研究会1994.11.4幕張メッセ
眼先天異常
著者: 馬嶋昭生1
所属機関: 1名古屋市立大学眼科学教室
ページ範囲:P.541 - P.543
文献購入ページに移動24歳,女性の虹彩角膜内皮症候群の1例を報告した。1987年,左眼急性緑内障発作のため受診。左眼前房は深く,高度なほぼ全周の周辺虹彩前癒着,虹彩萎縮を認め,眼圧65mmHgであった。右眼隅角には異常なかった。眼圧下降剤全身投与で眼圧は数日間で正常化した。1988年,1991年に各1回同様の緑内障発作を同眼に生じたが,保存的治療で眼圧は速やかに正常化した。発作間歇期には1%ピロカルピン点眼で 10mmHg台であった。1993年7月,8月に発作を繰り返し,左眼圧は72mmHgに上昇した。角膜内皮細胞平均面積は右眼362.7μm2,左眼587.6μm2であった。隅角所見は初診時と変化なかったが,保存的治療が無効だったため,マイトマイシンCを併用した線維柱帯切除術を施行した。術後左視力1.0,視野には異常なく,この1年間は急性緑内障発作は起こしていない。右眼には経過中異常を認めなかった。
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