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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻4号

1995年04月発行

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

強度近視眼のICG赤外螢光眼底造影所見—Lacquer crack lesionについて

著者: 大野京子1 森嶋直人1 伊藤睦子1 所敬1

所属機関: 1東京医科歯科大学眼科学教室

ページ範囲:P.593 - P.597

文献概要

 Lacquer crack lesion (L.c.)の26例36眼に対し,フルオレセイン螢光眼底造影(FA)とインドシアニングリーン赤外螢光眼底造影(IA)とを同時に施行して,比較検討した。FAでは,L.c.は全例過螢光を呈したが,IAでは36眼中32眼が,造影後期に低螢光を呈し,しかもそのうち7眼では,IAでの低螢光領域はFAの過螢光領域より長く認められた。その他,IAでは異常螢光がみられない症例が3眼に,IAで造影後期に過螢光を呈した症例が1眼にみられた。L.c.のような幅の狭い脈絡毛細管板の障害では,FAは二次的に網膜色素上皮の萎縮や組織的修復がなされた範囲のみを捉えているのに対し,IAでは,L.c.の基本病変である,Bruch膜の断裂に伴う脈絡毛細管板の障害範囲をほぼ正確に捉えることが可能であった。今後,斑状病変への移行を含めたL.c.の予後を検討する上で,IAは非常に有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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