文献詳細
特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
文献概要
シリコーン眼内レンズを挿入した164眼において,光学部厚が度数とともに増加するレンズ1種と,一定で薄く設計されているレンズ2種を用いて術後のレンズ偏位を測定した。術後3〜6か月(平均4.2か月)の時点で,レンズ偏位は光学部が厚いものは0.40±0.16mm,薄いものは0.31±0.13,0.31±0.14mmであり,前者が有意に大きかった(p<0.01)。また光学部が厚いレンズは20D以上で偏位の大きいものが多く認められた。同時にポリプロピレンとポリイミドの支持部材質の違いによる偏位を検討したが,0.31±0.13,0.31±0.14mmと両者に差はなかった。これらの結果から術後レンズ偏位には,支持部材質よりも光学部厚の関与の方が大きいと考えられた。
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