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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻4号

1995年04月発行

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

光凝固を施行した慢性骨髄性白血病による網膜症の1例

著者: 葉田野孝1 藤沢来人1 高橋信夫1 荒井俊秀2

所属機関: 1金沢医科大学眼科学教室 2金沢医科大学血液免疫内科学教室

ページ範囲:P.679 - P.682

文献概要

 慢性骨髄性白血病の急性転化に合併した白血病性網膜症の症例に対し,汎網膜光凝固術を施行後,5か月間経過観察をした。症例は31歳の男性で両眼に網膜静脈の蛇行,Roth斑,網膜出血がみられ,螢光眼底造影では赤道部に毛細血管瘤,無血管野,螢光漏出があり前増殖糖尿病網膜症に類似した所見が得られた。内科的治療に抵抗し網膜症は軽快しないため初診から約2か月後,右眼に対し汎網膜光凝固術を行った。右眼光凝固施行1か月後,左眼に硝子体出血をきたしたため汎網膜光凝固術を行った。本症例では内科的には寛解化には至っていないが,右眼底の病変は鎮静化しており,また左眼底所見にも改善がみられている。白血病性網膜症から増殖性網膜症を生じることが知られているが,その予防および治療のため汎網膜光凝固術が本症例では効果的であったと評価している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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