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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻4号

1995年04月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

副腎皮質ステロイド治療に抵抗したヒトTリンパ球向性ウイルスⅠ型関連ぶどう膜炎の1例

著者: 片山真理子1 滝昌弘1 高木則夫2

所属機関: 1常滑市民病院眼科 2常滑市民病院内科

ページ範囲:P.707 - P.710

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 症例は45歳の女性で,両眼の霧視を主訴に当科を来院した。初診時,両眼に軽度の前房の炎症と硝子体混濁が,左眼に類嚢胞黄斑浮腫がみられた。プレドニゾロンを30mg/日から投与したが,3か月後に漿液性網膜剥離と強い硝子体混濁を伴って再発した。患者の血清中のHTLV−I抗体価が高く,HTLV−1I髄症を発症しており,その他の異常所見がないことから,このぶどう膜炎をHTLV-Iassociateduveitis (HAU)と診断した。デキサメタゾンを20mg/日から投与したが,6か月後両眼の視神経乳頭浮腫と激烈な硝子体混濁を伴って再び再発した。乳頭浮腫の原因はぶどう膜炎と考えられるため,アザチオプリンを併用して,炎症は軽減した。HAUに漿液性網膜剥離を合併することは稀である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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