文献詳細
特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
成人型封入体結膜炎49例を対象に,輪部・角膜病変について検討した。上輪部浸潤は49例中31例(63%)にみられ,発病2週間以内では23例中18例(78%)であった。上方からの軽度の血管侵入は7例(14%)に観察された。角膜にはびまん性あるいは小円形の上皮下混濁が49例中31例(63%)に認められ,発病2週間以内では23例中19例(83%)と高率であった。これらの角膜上皮下混濁は上方周辺部に多く,表面はフルオレセインに染色されなかった。成人型封入体結膜炎では,発病初期に高頻度に輪部・角膜病変がみられ,これらの病変はアデノウイルス結膜炎との鑑別診断上,重要な所見と考えられた。
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