icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

向精神薬療法中の精神神経疾患患者にみられた眼所見の20年後の追跡調査結果

著者: 長田正夫1 玉井嗣彦1 中尾寛1 三木統夫1 浜本順次1 国頭七重1 石原涼子1 瀬戸川章1 西村慶子1 小椋力2 大田郁也2 岸本朗3 杉原寛一郎4 松下棟治4

所属機関: 1鳥取大学医学部眼科学教室 2琉球大学医学部精神神経科学教室 3鳥取大学医学部神経精神医学教室 4安来第一病院精神科

ページ範囲:P.871 - P.876

文献購入ページに移動
 向精神薬で加療中の精神神経疾患患者で,1973年と1982年に眼科的検査を行った患者のうち,1993年に追跡調査できた39例78眼(平均罹病期間33.8±7.0年,平均年齢58.3±8.1歳)の患者に対し,向精神薬の及ぼす眼所見を検討した。その結果,球結膜色素沈着は8例(14眼)18%(全被検眼数に対する比率),眼瞼皮膚色素沈着は1例(2眼)3%,角膜混濁は3例(6眼)896,眼底異常色素沈着は2例(2眼)3%,水晶体混濁は17例(34眼)44%にみられ,以前の調査結果と比べ,水晶体混濁例が著明に増加していた。水晶体混濁は,星芒状,ヒトデ型,前極部点状混濁型であった。進行は星芒状からヒトデ型が最多であり,ヒトデ型以後はほとんど不変であった。水晶体混濁の原因として,抗精神病薬の蓄積による障害を無視できないと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら