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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

眼症状を呈した肥厚性脳硬膜炎の1例

著者: 池田晃三1 白井正一郎1 山本有香1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.877 - P.880

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 種々の神経症状を示した肥厚性脳硬膜炎を経験した。症例は78歳の女性で,慢性的な頭痛,脳神経症状,大球性貧血があり,血液沈降速度の亢進があった。眼科学的には,右外転神経麻痺と両眼の視神経障害がみられた。磁気共鳴画像法では,脳硬膜の肥厚がみられ,ガドリニウム造影で肥厚した硬膜が著明に増強された。病因は不明であったが,副腎皮質ステロイドにより視力以外の臨床症状は改善した。肥厚性脳硬膜炎は,硬膜の肥厚を伴う比較的稀な慢性炎症性疾患であり,多くの症例では原因不明である。過去10年間の肥厚性脳硬膜炎の文献のうち,検索し得た症例について検討を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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