文献詳細
特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
ホモシスチン尿症に伴う水晶体脱臼で,経過観察中に顕著な虹彩前癒着をきたした3歳男児の1例を報告した。初診時右水晶体は外上方に,左水晶体は外下方に偏位する程度であったが,経過観察中に左水晶体が前房側に脱臼して虹彩を圧迫し,浅前房,角膜との虹彩前癒着をきたした。視力の変化や眼圧上昇はなかった。毛様体皺襞部からレンゼクトミー,前部硝子体切除術を施行し,虹彩前癒着を粘弾性物質の使用および鈍的に解除した。術後経過は良好で,視力は矯正にて1.0を得ている。水晶体脱臼では本症のような急激な合併症を起こすことがあり注意が必要と思われた。
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