icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

超音波白内障手術中の核落下の処理と予後

著者: 寺崎浩子1 平野耕治1 伊東由紀子2 山本憲明3

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名鉄病院眼科 3蒲郡市民病院眼科

ページ範囲:P.907 - P.910

文献購入ページに移動
 超音波白内障手術中に硝子体内核落下をきたした11症例における核処理と術後経過について報告する。症例の半数は75歳以上の高齢者で,硬い核の進行した白内障が多かった。1症例の小核片は保存的に治療されたが,他の症例はすべて経毛様体扁平部硝子体切除術が行われた。3例には液体パーフルオロカーボンが用いられた。白内障術者により核除去が試みられた3例に,網膜損傷,鋸状縁裂孔,駆逐性出血がみられた。最終的には1例を除いて予定されていた眼内レンズ挿入も行われ経過は良好であった。核落下の発生しやすい状況を考慮して超音波白内障手術の適応を慎重にするとともに重なる合併症を防ぐことが重要であると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?