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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

硝子体手術で判明した眼内悪性リンパ腫の1例

著者: 二宮久子1 小林康彦1 田中稔1 石和久2 古谷津純一2 玉城宏一3

所属機関: 1順天堂浦安病院眼科 2順天堂浦安病院検査科 3玉城眼科

ページ範囲:P.915 - P.918

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 原因不明の硝子体混濁で受診し,硝子体液の細胞診にて眼内悪性リンパ腫と診断された1症例を経験した。症例は73歳の女性で,糖尿病にて加療中であり,右眼視力低下にて約1年前から近医通院中であった。角膜後面に細かい沈着物と濃厚な硝子体混濁を認め,硝子体切除術を行ったところ,細胞診にて硝子体内に腫瘍細胞の浸潤を認めた。眼底には網膜深層に黄白色の滲出斑を認めた。化学療法を開始したが,眼症状の発現から約2年後に,頭蓋内転移のため死亡した。本症においては,早期診断が生命予後という点からも重要であり,中高年に発症した難治性のぶどう膜炎に対しては,本症を念頭におく必要があることを痛感した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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