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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

未熟児網膜症と成長後の全身合併症

著者: 高橋亜紀1 馬嶋昭生1 鈴木千尋1 佐藤朝美1 山本有香1 側島久典2 小林正紀2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室 2名古屋市立大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.935 - P.938

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 未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)の活動期および瘢痕期病変と児の成長後の全身合併症の関連について検討した。対象は,超未熟児20例を含む極小未熟児44例で,主な成長後の全身合併症には精神発達遅滞,脳性麻痺,身体発育遅延,言語障害などがあり,これらはROP発症群で有意に多く(p<0.05),1型3期中期以上の重症ROPでは全例に合併した。また,明瞭な白色瘢痕組織を示す厚生省分類瘢痕期1度とそれ以上の瘢痕組を残した児にも,成長後の全身合併症は高頻度に存在した(p<0.01)。しかし出生体重別の検討では,発生率に有意差がみられた全身合併症はなかった。以上の結果からROPの発症と重症度が,児の長期予後を推測する指標の一つになると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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