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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3)

学会原著

網膜動脈・静脈閉塞症における血漿エンドセリン活性値とCa2+拮抗薬の効果

著者: 前谷悟1 杉山哲也2 清水一弘2 奥英弘2 濱田潤2 松浦啓太1 守屋伸一1 中西清二1 奥田隆章1

所属機関: 1生駒総合病院眼科 2大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.947 - P.951

文献概要

 エンドセリン(endothelin:ET)は,強力な血管収縮作用を持つ生理活性ペプチドである。眼循環障害による疾患として代表的な網膜動脈・静脈閉塞症とETとの関係を調べた。未治療の同疾患46例の血漿ET−1活性値を測定した結果,陳旧性網膜静脈分枝閉塞症・硝子体出血を伴った網膜静脈分枝閉塞症は,正常者に比べ特に高値を示した。ET−1眼循環障害を抑制し得るCa2+拮抗薬の全身投与による,網膜静脈分枝閉塞症への影響について検討した結果,対照群に比べて症状改善までの期間が短い傾向を認めた。これらの疾患の発症にET−1が関与している可能性が示され,またCa2+拮抗薬の内服は末梢循環改善薬としての臨床的有用性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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