icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

眼所見を呈した抗リン脂質抗体症候群の6例

著者: 桜井英二1 白井正一郎1 湯口幹典1 馬嶋昭生1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.985 - P.989

文献購入ページに移動
 眼底の血管閉塞性病変を呈した抗リン脂質抗体症候群の6例を検討した。6例中5例は,内科または皮膚科で本症候群と診断されている全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の患者で,眼科的には網膜動脈や静脈の閉塞症,軟性白斑,虚血性視神経症,神経線維層欠損などがみられた。従来SLEによる網膜症とされていたもののなかに,本症候群の血栓形成傾向が関与していた可能性がある。他の1例は,明らかな自己免疫疾患のない81歳の男性で,右眼網膜の動脈分枝閉塞症と中心静脈閉塞症を発症し,免疫学的検索でループス抗凝固因子が検出され,本症候群と診断された。眼科領域でも血管閉塞性疾患をみた場合,抗リン脂質抗体を積極的に検索すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?